店舗の「定期建物賃貸借契約の終了通知」を忘れてしまったらどうなる?

あと半年ほどで定期建物賃貸借契約の満了を迎える管理物件があり、先日そのテナントと打ち合わせし、再契約の意向を確認してきました。

借りて頂いてからというもの、コロナで京都も観光客が減り事業が思い通りに進まず心配していましたが、再契約の希望を頂けました。

良い入居者さんですから、これから貸主と再契約について前向きに協議する予定です。

定期借家契約は更新の定めが無い契約

事業用建物の賃貸借では、契約更新が無い定期建物賃貸借契約を交わすことは珍しくありません。

定期借家契約は、借主が希望すれば半永久的に更新される普通借の契約と違い、更新がなく終了する契約となっています。

借主は満了日で契約が終了するので、原則として満了日までに店舗から立ち退いて明渡しをすることとなります。

では、定期借家契約の満了以降も引き続き契約を延長したい、続けて借りて欲しいという場合はどうするかというと、契約終了日の翌日を始期とする新たな賃貸借契約を締結することで可能になります。

今回、貸主と協議が整えば再契約となりますがまた再度新たな契約書を用意して、契約する予定です。

定期借家契約の終了通知を忘れるとどうなる?

テナントと賃貸借契約を解約したい場合は、終了通知をして解約することができます。

貸主が気を付けないといけないことは、期間経過のみで契約は終了しません。

満了する1年前から半年前と決められた期間内に、定期借家契約の終了通知をすることが義務づけられているのですが、それをうっかり忘れてしまう方がいます。

契約更新が無い定期借家契約は、原則として期間満了と同時に契約が終了という貸主の権限が強い一方で、一定の期間に終了を予告することを貸主に義務付けています。

終了通知を忘れた場合はどうなるのかというと、定期借家契約が終了せず明け渡しを求めることができなくなってしまうのです。

それでは、期間を過ぎてしまっていた場合はどうすればよいかというと、過去に期間後にだした終了通知の有効性をめぐった判例では、終了通知をした日から6ヶ月の経過をもって終了させることができるとされています。

店舗を不動産屋に管理委託していれば、通常把握してやってくれますが、貸主が自主管理する物件ではご自身で管理する必要があるので手帳やスケジュールに忘れないようしておくことが大切です。

ご自身でしっかり覚えているから大丈夫だという方も、例えば、相続をした物件購入した物件があるときは契約内容まで確認ができておらず見落としていることもあります。

契約がどのような形で行われているか確認をしましょう。

定期借家契約が終了しないだけで、6ヶ月前にいえば大丈夫だと考える方もいるかもしれませんが、終了通知せずに契約が存続した形になると、他にも問題があります。

再契約がきちんとされなければ、連帯保証人との契約は当初の契約期間を超えて主張することはできないとされています。

更新を前提とした普通契約と違い、更新が無い定期借家契約では当初の契約期間を超えてまで保証の履行を請求することはできないでしょう。

また、期間終了後にだした終了通知の効力をめぐった過去の判例では「終了通知をした日から6ヶ月後の明渡し」を認めていますが、だからといって期間満了後は貸主からいつだしても6ヶ月後の明渡しを請求できるとなると賃借人の地位をいたずらに不安定にするとされ「期間満了後も借主が店舗の使用を継続し、貸主もこれに異議を唱えず賃料を受領している場合には、黙示的に新たな普通建物賃貸借契約が締結されたと解すべきである。」と判示されたものもあります。

いたずらに再契約を経ず貸主が賃貸借契約の継続を前提にした態度をとっていた場合、実質的に「普通契約」と同じ状態と判断されてしまうリスクがあります。

普通契約では、貸主から契約を一方的に終了させることは借主保護の観点から認められていません。

定期建物賃貸借契約が終わり普通契約に移行したとなれば6ヶ月後の明渡しを主張できなってしまうので注意が必要なのです。

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