
なぜ空室になるのか? 〜解約理由から見えてくること〜
不動産を貸していると、入居することもあれば、退去して空室になることもあります。
とくに店舗物件は住宅に比べて家賃が高額なケースも多く、長期空室は大きな損失につながります。
ところで――
「なぜ空室になるんだろう?」って、考えてみたことはありますか?
私は仕事柄、これまでたくさんのテナント解約に立ち会ってきました。
借主に理由をうかがい、貸主へ報告するのですが、解約には事業用物件ならではの事情があると感じています。
ここでは、私の経験から代表的な解約理由を紹介します。
空室の原因を知ることは、次の募集時の対策にもつながります。
1. 営業不振
もっとも多いのは、やはり「営業不振」による退去です。
ただし、売上が下がる背景にはいくつかの要因があります。
- ライバル出現
順調だった店舗が、近隣に人気店ができたことで一気に顧客を奪われてしまうことがあります。
実際、その後の居抜き募集でも同業からの出店希望はほとんど来ませんでした。 - 客層の変化
街の雰囲気や通行人の層が変わることで、従来の業態がマッチしなくなるケースも。
一方で、空いた物件に全く違う業種から問い合わせが集中することもあります。
2. 人材不足
特に飲食業では料理長やキーパーソンの退職が大きく影響します。
「人手が足りずに営業継続が難しい」という声は非常に多く聞かれます。
スタッフを育てても辞めてしまうリスクもあり、店舗運営は人ありきですね。
3. 他店舗の影響・事業全体の事情
単独店舗では黒字でも、事業全体が赤字になると撤退することがあります。
多店舗展開による過剰拡大や人員不足が理由になることも。
経営判断による撤退は、個人オーナーには見えにくい理由のひとつです。
4. 流行の変化・業態の変化
ブームに乗って開店した店舗も、流行の終わりとともに集客が難しくなることがあります。
また、消費者ニーズの変化で「お店の形そのもの」が合わなくなることも。
例として、コンビニでは10年でATM、イートイン、カフェスペースと変化しており、
以前の店舗面積では運営が困難になって移転するケースも見られます。
5. 外的要因(規制・災害など)
避けられない外的要因も空室の原因になります。
- たばこ規制、営業時間の制限
- 消費税や酒税などの増税
- 風評被害
- 災害や道路工事
とはいえ、駅が新設されたり、周辺開発で思わぬ追い風が吹くこともあります。
良くも悪くも、自分ではコントロールできない要素ですね。
6. 黒字でも退店することがある
意外かもしれませんが、お店が黒字でも退去することがあります。
特にチェーン店に多く、
「収益が目標に届かない」=「もっといい立地を探す」
という判断であっさり撤退されることも。
「大手だから安心」と思っていても、1年足らずで解約というのも珍しくありません。
その点、個人事業主の方が頑張って長く続けてくれるケースもあります。
7. 好業績による移転や拡大
これはもっともポジティブな退去理由ですね。
手狭になった、別の場所に2号店を出したい…ということで、次の店舗探しをご依頼いただくこともよくあります。
こうした繁盛店は、地域にも良い影響を与え、
「出世物件」として次の借主にも好印象を与えることがあります。
募集時のアドバイス
インターネットで他の掲載物件を参考にするのも大事ですが、
掲載されている条件=実際に借りられる価格ではないことが多いのが実情です。
貸主の希望と、借主の希望がかみ合わないことも多いため、
相場をよく知る不動産会社に相談してみるのがスムーズな近道です。
いかがでしたか?
退去理由を知ることで、次の一手が打ちやすくなります。
解約時は少し勇気がいるかもしれませんが、ぜひ借主に「なぜ退去されるのか」を聞いてみてください。
最後までお読みいただき有難うございました。
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