昼食のおかず

味の濃いものを食べたいというから、リクエスト通り一乗寺の鉄板焼き「あじひろ」へいってきた。

病院食は薄味でおいしくないから、食べておきたいという。

いつも備える彼らしい。

しかし、病院食とはそんなにつまらないものか。

栄養に配慮していて、健康には良いはず。

普段から味の濃いものばかりを食べるから、味覚が鈍感なのではないかと多少思った。

いくら質素といっても、入院中はほとんど娯楽もないだろうし、食べる時間は楽しみなんじゃないの。

***

彼から「今日の昼食送ります」とラインがきた。

鮭の塩焼き80

Pしょうゆ

ひじきの炒り煮

春菊の浸し

手術が控えているので2品少ない。

そう思いたい献立である。

朝飯なら容認できるが昼飯と考えるとせつない。

二度目の入院となる彼にとっては、驚きがないのか、この手の食事には慣れているようだった。

この写真を手に松屋へ向かい、ねぎ玉牛丼、サラダ、みそ汁のついた600円のセットを注文した。

今日の昼食はどうしようかと考えていたところだったが、病院食をみながらご飯をたべると三割増しでおいしい。

そして幸せだった。

外食万歳。

どこで食べてもきっとおいしく感じたに違いない。

病院食の写真をおかずに昼食をとった、良き経験だった。

しかし、ひとりで食べる飯よりも、彼といくあじひろの方がおいしい。

元気な状態でなるはやで退院してきてもらいたい。

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