【海外オーナー 事業用資産】借主が賃料の支払い時にする源泉徴収
あまり知られていませんが、賃貸不動産を所有する大家さんが日本をでて海外に長期(1年以上)で行くことになれば、借主側で源泉徴収し納税なければいけないケースがあります。
用途が店舗や事務所など、事業者に貸し出す資産であれば個人・法人を問わず国内規定に従い借主が納税することが原則となります。
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事業用資産を所有する「非居住者」
先日、京都に事業用不動産を所有する、とあるご夫婦より、テナントが入居する物件の賃貸管理をご依頼頂きました。現在お引受けして当社で管理しております。
「自主管理してきたが、遠方に転勤(夫)が決まったので管理をお願いできないか。」
管理契約の打ち合わせを進めていくと、この「遠方」というのが中国だといいます。
遠方ときいて東京あたりと勝手に思ってましたが思い込みは禁物ですね。
海外家主のことは知識にはあったので、これは「非居住者」になるかもしれないと思い確認を進めたところ、借主に納税義務が発生することがわかりました。
「非居住者」とは、簡単にいえば日本国内に住んでいない方のことをいい、所得税法的には以下のように規定されています。
「居住者」とは、国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいい、「居住者」以外の個人を「非居住者」と規定しています。 「住所」は、「個人の生活の本拠」をいい、「生活の本拠」かどうかは「客観的事実によって判定する」ことになります。
相談できる税理士がいれば税理士へ
不動産から得る賃料収入は日本国内の源泉所得に該当します。
外国との二重課税など防止するため、借主側に納税義務が発生するというわけです。
同じようなケースが将来的に発生するかも?という状況であれば、お抱えの税理士がいればその税理士に相談してみると良いでしょう。
非居住者について色々ききました
今回クライアントの大家さんに税理士さんがついていなかったこともありますが、私自身、海外家主の物件を管理でお預かりするのは初めてのこと。
後学のため「非居住者に該当する?」「該当したら何するの?」「借主には何を伝える?」を税務署へ確認してきました。
非居住者に該当する?
まず、非居住者の定義についての確認からスタートです。
旦那さん単独名義の物件で、海外に出張するのは旦那さんで、且つ単身赴任。
奥さんは物件から車で1時間半もあれば着く一軒家のご自宅にしっかりとお住まいです。
旦那さんもたまに日本に帰国はされるというので、自宅もあるし居住者みたいなもんではないか!と思い税務署へいき面会して詳細を話ながら打ち合わせ。
結局のところ、間違いなく「非居住者に該当します」というアンサーが返ってきました。
・会社から1年以上の辞令
・日本に自宅があるからといって、居住者になるわけではなく、どこに本拠を置くか
というところが今回のポイントだったようです。
出国日翌日から非居住者に該当するということもわかりました。
非居住者だと何するの?
次に大家さんやテナント(借主)に何をしてもらうか?の確認です。
大家さん側での要点は
「借主に出国日の通知」
「出国前に納税管理人届け出書の提出(委任する場合)」
「確定申告」
「借主に帰国日の通知」
以上が主なポイントであることがわかりました。
これはなんとなく理解していた通りです。
借主には何を伝える?
貸主が非居住者となる場合は、テナントが家賃を支払う際20.42%の税率により計算した額の所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければいけません。
計算方法や支払い方法など考えるといくつもの疑問がでてきます。
細かい話は置いておきますが、確認したところ
「源泉徴収した税金は翌月10日までに納税」
「支払い調書の作成及び提出」
以上がおさえておくポイントだといいます。それにあたり、借主へ連絡して納付申請手続きをしにいってもらうことになりました。借主はその後納付書で毎月納税してもらうことが必要になります。
まとめ
以上、海外家主と借主の非居住者についての投稿でしたがいかがでしたか?ケースバイケースですが、同じような大家さんやテナントがいればざっくりと参考になれば幸いです。もっと深く知りたいという方は国税庁のタックスアンサーがあるので、そちらでも確認してみてください!
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