昼食のおかず
味の濃いものを食べたいというから、リクエスト通り一乗寺の鉄板焼き「あじひろ」へいってきた。
病院食は薄味でおいしくないから、食べておきたいという。
いつも備える彼らしい。
しかし、病院食とはそんなにつまらないものか。
栄養に配慮していて、健康には良いはず。
普段から味の濃いものばかりを食べるから、味覚が鈍感なのではないかと多少思った。
いくら質素といっても、入院中はほとんど娯楽もないだろうし、食べる時間は楽しみなんじゃないの。
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彼から「今日の昼食送ります」とラインがきた。
鮭の塩焼き80
Pしょうゆ
ひじきの炒り煮
春菊の浸し
手術が控えているので2品少ない。
そう思いたい献立である。
朝飯なら容認できるが昼飯と考えるとせつない。
二度目の入院となる彼にとっては、驚きがないのか、この手の食事には慣れているようだった。
この写真を手に松屋へ向かい、ねぎ玉牛丼、サラダ、みそ汁のついた600円のセットを注文した。
今日の昼食はどうしようかと考えていたところだったが、病院食をみながらご飯をたべると三割増しでおいしい。
そして幸せだった。
外食万歳。
どこで食べてもきっとおいしく感じたに違いない。
病院食の写真をおかずに昼食をとった、良き経験だった。
しかし、ひとりで食べる飯よりも、彼といくあじひろの方がおいしい。
元気な状態でなるはやで退院してきてもらいたい。