疏水のほとりに生まれた、小さな商いビル
聖護院に生まれた、
小さな複合商いビル
― 冷泉ビルヂング ―
京都・聖護院に、小さな商いの建物が生まれました。
名前は「冷泉ビルヂング」。
ひとつの店ではなく、三つの店が入る小さな複合ビルです。
この建物について最初にご相談をいただいたのは、ちょうど一年前のことでした。
専任でお預かりして、借り手を探すことになりました。
建物の前には疏水が流れています。
春には桜並木がきれいに続き、建物からは大文字を眺めることもできます。
川沿いの落ち着いたロケーションに惹かれて、物件を見に来られる方は多くいらっしゃいました。
ただ、この建物には少しハードルもありました。
面積の小さな三層構造だったからです。
飲食店を考える方の多くは、上階の使い方に悩みます。
「上は物置にしか使えないかもしれない」
そう考えて敬遠されることも少なくありませんでした。
それでも、個人的にはずっと思っていました。
「ここで何かおもしろいことができそうだ」と。
ただ正直に言うと、最初から今の形が想像できていたわけではありません。
三層の建物をどう活かすのか。
どんな店がここに入るのか。
そのイメージを具体的に描くのは、とても難しく感じていました。
「これは少し厳しいかもしれない」
そんな気持ちが頭をよぎったのも事実です。
それでも、この場所には何か面白いことが起こりそうな気配がありました。
そんな中、募集が出た当初からこの建物を見て構想を練り始めた方が現れます。
今回の借主です。
もともと冷泉通り側には入口がありませんでした。
そこは壁だった場所です。
今回、その壁に新しく入口がつくられました。
店に入るとすぐに階段があり、空間は少し下へ降りていく構造になっています。
その高低差をうまく活かして、店の空間がつくられていました。
難しいと感じていた建物が、借主のアイデアとセンスによって、魅力的な場所へと変わっていったのです。
冷泉ビルヂングの構成は三層。
1階には、パンとワインとアテを楽しめる店「mati」。
2階にはナチュラルワインを扱うmati wine shop。
そして3階には、ヴィンテージ雑貨や洋服を扱う「歩く鳥」。
三つの商いがゆるやかにつながりながら、この建物の空気をつくっています。
難しいと感じた建物でも、
その場所を面白がってくれる人に出会えたとき、
新しい商いは静かに動き出します。
そして偶然にも、最初に大家様からご相談をいただいた日と同じ日に、
この建物はグランドオープンを迎えました。
後から大家様に教えていただいて、私自身も少し驚きました。
一年という時間の中で、たくさんの人の準備や思いが重なり、
建物は新しい商いの場所として動き始めました。
疏水と桜並木のそば。
大文字を眺めることのできる静かな通りで、三つの店がそれぞれの時間を刻んでいます。
京都でまたひとつ、新しい商いの場所が生まれました。
※出典 3階「歩く鳥」Instagramより
京都市左京区聖護院エリア
1F:mati(パンとワインとアテ)
2F:mati wine shop(ナチュラルワイン)
3F:歩く鳥(ヴィンテージ雑貨・洋服)
各店舗の雰囲気は、下記のお店公式Instagramからご覧いただけます。


