〜貸してくれないのは不公平?…

開業しようと決めて、物件を申込しても貸してくれないことがある。貸主選定の末「他の方で決まった」といわれてしまい契約できず落ち込むこともあるだろう。
開業を決めた知人からの相談でしゃべっていると、良いと思った物件に申込を続けてどうやら4連敗だとか。競合テナントがいたケースもあっただろうし、シンプルに何らかの理由で断れたこともあったんだろう。

業種がだめなら諦めもつくが、競合テナントに取られることが繰り返しあった。競合会社が知名度のある会社だったり人気店となると、独立開業者がその土台で勝負すれば分が悪いだろう。不公平だという前に待ってほしい。家主さんは安定した人や、自分の入って欲しいテナントに貸したいと思うのは自然なこと。気分が落ち込んでいる知人に、「公的資産じゃない民間所有の不動産やし、そら好き嫌いで貸す事もあるよ。そういうもんやで」と直球でいってあげた。こんな言いぐさは友達の私だからできることでもある。ハートをびしびしと痛めつける。大家さんも人間であり、好き嫌いがある。誰に貸すかは貸主の自由なのだ。

断る相手方に、落選理由、審査落ちした理由を不動産屋が語ることはほぼない。理由をはっきり言ってもらえないことも知人のジレンマになっていると思うが、不公平と感じたのはちゃんと理由があった。先に申し込んだ物件にも関わらず後順位を優先されたらしい。それをきくと気持ちはわからないでもない。順番抜かしされたのだ。

はっきりいおう。テナントあるあるだ。そういってやった。これから探す方もそういう可能性は十分あるので気を確かに持って欲しい。開業にもっともハードルとなるのが物件探しであると痛感することになるだろう。

貸主へラブレターは届くが、誰と付き合うのかはそこから別の話だ。前後して、ウットリするような人からラブレターが届けば、もちろん新たな候補になる。

店舗の申込書は契約書ではないので、一方的な意思表示にすぎない。
開業者にとって一つ不利なことがある。部屋の賃貸を借りた経験がある方は多いと思うが、わかりやすくいえば「年収」とか、「勤務先」「勤続年数」の欄。そして「連帯保証人」などの記入要綱が必ずあるのを覚えていると思う。知りもしない人に不動産を貸すときに一定の頼るべき情報。これが入居審査というものだ。独立開業者というのは初めて「経営」にトライすることになる。実績をすでにもっている会社と比べれば不安要素と感じるのも無理はない。当たり前だが、勤続年数ゼロ、年収未定なのだ。

この他に、開業時は融資を受けて開業することがほとんどのため資金調達の目途がはっきりしていないのも貸主からすればデメリットだろう。すぐ契約出来る人と、融資結果を待って欲しい人では契約確度が異なる。これはある意味「公平」に考えたらそうなるともいえる。申込書が先に届いたから優先という選定理由こそ、不公平の解釈もできるのではないか。

振られ続けた知人に、物件探しをどうしているか聞いてみた。~の駅付近で、~人通りが多く、~1階で居抜。なるほど。それは、問い合わせも多いし人気だろう。そりゃ競合がでるわな。

知人は仲介担当した不動産会社にも恨み節炸裂だ。よほど、一番先に申込をしたのに抜かされたのが許せないらしい。そこで、いっておいた。家主さんの仲介が別の不動産会社が入ってるなら、その不動産会社も〇〇と運命を共にしてるんだから、契約を逃がして悔しいんじゃないの?

そう、不動産の二社仲介は一般的にみられる形である。大家側についている不動産会社と、借主側についている不動産会社。話をきくとどうやらそうだ。となると、頼った不動産会社の人に罪は無いだろう。順番を決めているのは大家側の不動産マンと大家である。探してくれた不動産会社も同じく振られたあおりを受けた身内といって等しい。

では、大家側の不動産会社ばっかり探して頼ればいいかというと、そうではない。昔から付き合いがある大家さんと、最近知り合った〇〇とではどちらの意向を尊重するか考えるとすぐにわかる。だから、これからも頼るべきはその探してくれた不動産マンだ。その不動産マンは良い物件情報を〇〇に教えてくれたのだから。

だからその不動産マンを恨むのは筋違いだからやめなさい。こう諭した。

もしかすると同じような経験をした人もいるかもしれないが、人気物件を抑えようとするなら自分の優位性を再確認することからはじめてみると良い。他の店に無い魅力は何か。自分のセールスポイントは何か。どうやったら貸主に選んでもらえるか。もし、自分が他の人からも人気のある条件で探しているなら必須の作業だろう。

条件を柔軟に考えてみることもひとつだし、セールスポイントを見直すこともしてみたらいい。はっきりと安心できる事業計画になっているか。貸主にとって入って欲しいと思うプレゼン資料が整えてあるか。他社よりもどこがいいのか。物件はポコポコでてこない。少し休んで頭を冷やしてみるのも悪くない。

人間アウトプットが肝心であり、意外とできないことでもある。

構想は自分の中では常に形にあるが、それをうまく相手に伝えられているだろうか。お店をやりだしてからも続く必要な自己分析、セールス能力。今一度自分の想いをくっきりと形にしてみる。

自分の店を選んでもらえる理由は何かを深く考えていくと、貸主に選んでもらえる理由を足掛けに、どんどん研ぎ澄まされる。

自分の店の個性を確認し、商売にもマッチしており、且つ優位性をもって商談ができる方法。物件。立地。そんな角度から自分の事業を再確認してみるのも良いと思う。そして、それを考えることが差別化でありお店の個性やオリジナリティとなって繁盛の道にも通じていたりする。

自分の店を多角的に確認することは、優位性を確認し、つくる作業でもある。自分なら、むしろこういうところがピッタリではないか。今まで見過ごしてきた物件、ただの物件だったか?
そんな風に思えば「掘り出し物件」に出会う確率をますます上げるだろう。

物件探しがうまくいかないと思ったとき、本当のルート、活路、すなわち他の人が気づかない優良物件が見える。伊藤カ〇ジの漫画でも橋を渡っているとき、似たようなことをいっていたのを思い出した。遠い地で物件探しをする知人に、ひとまず読むこむように勧めたい。

全く関係ないが、先日豪雨の際に北白川通りの店や通りが、流れた砂で被害を受けた。ニュースになっていた。

地元の人にきくと今までも実は年1回くらい、強い雨が降ったらなってるらしい。近くのコンビニに土嚢が準備してあるのを見ることがあるが、そういうことだったのか。知らないことはいっぱいあるもんだ。

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